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無所畏懼的前行

敵に笑うが自信

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敵に笑うが自信



 いささか実も蓋もない言い方になるかもしれないが、結局問題の女性も、自分が「女王」でないことは知っていたのではないかと思えてならない。競技Xの世界に身を置き、相応の才能と長年の努力で国内では常に上位の成績は出せるようになっていたのかもしれないが、しかしスポーツ界の「女王」とは一般的に言って女性のチャンピオンである。しかも才能のある新人が競技を始めて即その世界の頂点に上り詰めたとしても、または辛勝やギリギリの判定の末に勝利を掴み取ったとして仮に一度きりの短い期間の頂点であった場合、通常どちらも「女王」とは言われないのではないか。
「女王」とは一定期間頂点にいるか、あるいは一度落ちた後も、かなり近い位置を長年キープし続けた相手に対してのみ使われる尊称のはず。
 私が件のヌードになった女性の名前を知らなかったということは、酷な言い方だがやはり一般的に知られているレベルの選手ではないのだ。
 競技Xがどれだけ華美?壮麗であろうと、あくまでも得点を競う競技である。ヌードの女性の外見がどれほど美しかったとしても――加えておそらく国内10位くらいの成績か、オリンピック強化選手くらいの実力はあったのかもしれないが――、それで「女王」などと呼ぶ(写真週刊誌にそういった倫理観を求めるのは不可能だから、本来当人が「呼ばれる」ことを是認する感覚が問題なのだ)ことは、純粋に実力がありながらヌードの女性よりも性的ピンナップの視線では容姿の劣る、と判断された競技者に対する侮辱でもあるといえないか。当然、彼女を純然たる競技者として見た上で、その姿に価値や意味を認め応援していたファンに対しても、背信を犯した行動である。加えて敗残者の感覚、つまり嘘や騙りの類に堕してしまう惨めさを本人も考えなかったはずはないだろう。

袖口が十字に避けた真っ赤なコートを着ている男はヴァッシュ?ザ?スタンピードと相対している。大兵肥満の男は灰色の髪を逆立て不、そこにあるものは単に自分の膂力への盲信や相手に対する侮りというよりも、なにやら策を持ち合わせているの表れと見えなくもない。とはいえスマートとは言い難い、いかにもな外見のその様はやはり、初回か次あたりにでも登場しそうな雑魚の雰囲気。鶴ひろみ扮するメリル(?)が傍にいてなにやら耳打ちをし、最後には彼を励まし援護する旨を伝えて十数メートル後ろにそそくさと下がる。
「せいぜい頑張って思いっきりやってや」とか「追い詰めた」と口にするヴァッシュ。しかし手付金を受け取らないと彼は動かないらしい。とりあえず様子見をしながらも弾倉に弾込めをする。銃弾は一発あたり15万円もするので、節約するために銀のコーティングをした弾丸をとりあえず一発のみ。

 古い民家でヴァッシュは敵と睨み合いを続けている。一日掛けて弾を節約しながら戦えば時間あたりの金額単価はさほど高くないと本人は考えているが、だとしてもやはり高い。いつからか受け取る報酬を自分自身で交渉しなければならないことになっていて、今回のスポンサーと話し合いをする状況になったようだ。
 相手は、『フロントミッション2』に登場するバングラディッシュはアロヨ運輸(?)の豪腕社長。その肌は耐えぬいた暑熱の歳月を語り浅黒く、非常に恰幅よく頭は綺麗に禿げ上がり、相当に膨張した腹部に窮屈そうなピンクのポロシャツはボタン一つだけ嵌め、残りは風通し良く開け放たれている。どう遠慮がちに見ても暑苦しいと言わざるを得ない体の割に、口髭のもとにある赤黒い唇は静かに閉じ、元々太い眉は細めに整えられ、大きな目は伏せがちに思慮深げとなっては何やら気怠げな印象すらある。下には微風に揺れる涼やかな灰色地の麻ズボンを穿いていた。
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